親がなくなり不動産を相続 どうしたらいい?
親が亡くなった後の不動産相続は、相続手続きや税金、名義変更など、多岐にわたる準備が必要になります。手続きを誤ると後々トラブルにつながることもあるため、基本的な流れや手順をしっかり理解することが大切です。
特に不動産は大きな資産価値をもつため、遺言書の有無や相続人の確認など、始めにやるべきことが多岐にわたりがちです。家族や専門家と連携し、スムーズに準備を進めていきましょう。
この記事では、親が亡くなった際の手続きや不動産の相続方法、相続した不動産をどのようにアクションするのかといったポイントを分かりやすく解説します。選択肢を把握して賢く対処するために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
親が亡くなったときにやる手続き
数日中にやらなくてはならないことが沢山ある
親が亡くなられた場合、最初の数日からまとめて行わなければならない手続きがあります。落ち着いて必要書類を準備し、法定期限を守ることが重要です。
親が亡くなった直後は、感情的にも大変な時期ですが、多岐にわたる役所関係の手続きが発生します。死亡診断書の受け取りや死亡届の提出、火葬許可の手続きなど、期限が定められているものが多いので、各期日を把握しておく必要があります。
健康保険や年金関連の手続き、遺言書の有無の確認、相続人の特定など、並行して進めるべき項目が複数あります。資格喪失手続きや相続関係の早期確認は、後々の相続登記などの際にも役立つ情報となるため、なるべく前倒しで対応するとスムーズです。
相続放棄や限定承認などの判断については法律上の期限もあるので、状況によっては専門家へ相談して適切な相続方法を選択しましょう。期限を過ぎてしまうと選べる手段が限られてしまうため、早めの検討が重要です。
亡くなってすぐに行うこと
当日にやること
親が亡くなったその当日に取り掛からなくてはならないのが、死亡診断書の受け取りと葬儀社への連絡です。病院で亡くなられた場合は医師が死亡診断書を発行し、迅速に葬儀社と連絡を取ることでスムーズに遺体安置へ移れます。
この死亡診断書は相続手続きなどでたくさん使うためあらかじめ何通もコピーをお勧めします。
葬儀日程の大枠も同時に決めるとよいでしょう。通夜や告別式のタイミングを想定し、家族や親族との連絡体制を整えることが大切です。
新しく遺言書が見つかる可能性もあるため、必要に応じて自宅や実家の金庫や重要ファイルを確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。
7日以内にやること
主に死亡届の提出と火葬許可の申請手続きが該当します。死亡届は届け先の自治体に対して、通常7日以内に提出しなければならないと定められています。
死亡診断書と死亡届を添えて役所へ提出し、火葬許可証を取得することで、火葬や葬儀の段取りが正式に進められます。
火葬許可証を取得しないと葬儀や火葬の手続きができず、日程に大きく影響します。荷物の整理や親族への連絡と同時進行で忘れずに行いましょう。
14日以内にやること
健康保険証の返納や年金関連の手続きなどは、14日以内に行うとされることが多いです。具体的には加入状況によって必要な書類が異なるため、国民健康保険や年金事務所、勤務先などで手続きを進めましょう。
葬儀が終わった後に書類の提出を後回しにしがちですが、期限を過ぎると手続きが複雑化する可能性があります。必要に応じて各機関に問い合わせを行いながら進めることが望ましいです。
あわせて遺言書の捜索・開封がまだの場合は、早めに取りまとめて確認を行いましょう。遺言書があるかどうかで進め方が大幅に変わることもあります。
四十九日~法要後に行うこと
49日以内にやること
四十九日法要の準備を進めるとともに、相続人全員での話し合いを始める時期です。遺産の大まかな内容を確認し、誰がどの程度の財産を相続するのか方向性を検討します。
相続財産一覧(財産目録)の作成に着手するのもこのタイミングです。不動産であれば固定資産税通知書や登記簿謄本を確認し、評価額や所在地をしっかり把握しておきましょう。
まだ確定していない場合でも、大まかなイメージをつかんでおけば後の相続税申告や相続登記がスムーズになります。
3ヶ月以内
相続放棄や限定承認を行うかどうかの判断は、相続が始まったことを知った日から3ヶ月以内に行わなければなりません。借金などマイナスの財産が多い場合は、慎重に判断する必要があります。
相続放棄を選択すると、一切の財産や負債を相続しないことになります。限定承認ではプラスの財産の範囲内で負債を引き継ぐ形になります。
これらの手続きは家庭裁判所で行うため、検討が必要であれば早めに専門家に依頼して、必要書類や手順を確認すると安心です。
4ヶ月以内
被相続人の所得税に関する準確定申告を行う必要があります。通常の確定申告とは異なり、相続開始から4ヶ月以内が提出期限となります。
会社員で年末調整が行われている場合でも、不動産所得やその他の雑所得等がある場合がありますので、税理士などに確認すると漏れがありません。
きちんと申告を済ませておかないと、後に税務署から追加で申告を求められる場合もあるため、早い段階で準確定申告の要・不要を判断しましょう。
10ヶ月~1年以内
相続税の申告と納税は、原則的に相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。また、不動産の名義変更(相続登記)も同様に早めに着手しておきましょう。
相続税の計算では、不動産の評価額の把握が欠かせません。土地の場合は路線価や倍率方式で、建物の場合は固定資産税評価額を参考に算出します。
名義変更のためには遺産分割協議書や印鑑証明書など複数の書類が必要になります。相続人全員の同意も不可欠なので、計画的に準備を進めるようにしましょう。
不動産の相続方法
不動産の相続方法は複数ある
不動産の相続方法は複数あり、家族構成や財産構成により最適な方法が異なります。メリットやデメリットを知り、今後の運用を見据えて選択することが重要です。
現物分割とは、不動産をそのままの形で特定の相続人が相続する分割方法です。
こちらはシンプルですが、不動産自体を細かく分けるのが難しい場合や、共有名義にする場合は後々のトラブルに備えた話し合いが必須です。
代償分割は、不動産を相続した代わりに他の相続人へ金銭を支払う方法で、複数の相続人が平等に扱われていると感じやすい点がメリットです。
一方で、分割協議の範囲が広いため、資金の調達や税金対策を含めて慎重に検討しましょう。
換価分割は、不動産を売却してから現金を分け合う方法です。売却による譲渡所得税や相続税の計算が発生する可能性がありますが、相続人同士での公平感を保ちやすい点が利点といえます。
土地・家の相続方法
土地や建物の相続では、評価額の算出方法や相続登記の手続きが重要になってきます。事前に情報を整理し、手間やコストを見積もっておきましょう。
土地は路線価や評価倍率方式を元に評価額が決まり、家や建物は固定資産税評価額が指標となります。相続税の申告ではこれらを正しく計算し、税理士や専門家にチェックしてもらうと安心です。
名義変更(相続登記)は法務局で行う手続きで、2024年4月以降は義務化されました。放置したままにすると後で書類を揃えるのが困難になるばかりか、相続人が増えて協議の手間もかかる可能性があります。
家や建物の場合は築年数や構造、用途地域によっても活用方法が変わります。住むのか貸すのかなど、その後の使い方を想定しながら相続手続きを進めるとよいでしょう。
相続した家の処分方法・活用方法
相続した家や建物は様々な形で活用可能
相続した家や建物は売却して資金化する以外にも、さまざまな形で活用できます。家族構成や相続人全員の意向に応じて、最適な方法を検討しましょう。
相続した住宅をどう扱うかは、今後のライフプランや相続人間の関係性によって大きく変わります。資金需要や維持管理費の負担などを総合的に考えることが欠かせません。
売却する場合は一度にまとまった現金を得られますが、賃貸やリフォームなどの選択肢も視野に入るでしょう。
住宅が古い場合でも、リノベーションやシェアハウスに転用するなど、新たな可能性を見出す方法も増えています。
家族や相続人によっては「思い出が詰まっているから手放したくない」といった意向もあるかもしれません。
費用対効果だけでなく、家族の感情面や将来の資産状況も併せて考えて、最適な方法を探すのが大事です。
売却し処分する
家を売却することで現金化し、相続人同士に分配する方法はシンプルかつ分かりやすい方法です。
ただし、売却時に不動産会社への仲介手数料や譲渡所得税が発生する場合もあります。
相続登記を済ませてからでないと売却できないケースが多いので、相続手続きと並行して売却の準備を進めましょう。
相場を把握するために不動産会社に査定を依頼し、家の状態や立地などを総合的に評価してもらうのがおすすめです。
賃貸にする
賃貸にすれば、家賃収入を得られる可能性があり、固定的な収益源となるメリットがあります。しかし空室リスクや維持管理費などのコストも考慮しなければなりません。
賃貸物件として運用する場合は家賃相場や需要を調査して、家族や専門家と相談しながら募集を進めることが必須です。
固定資産税や修繕費の出費は継続的に発生するので、ROI(投資収益率)を試算し、長期的なビジョンを持って賃貸経営を検討すると安心です。
売却するべきか賃貸するべきか
売却するべきか賃貸するべきかは重要な選択肢
家族構成や将来設計、相続税の負担を考慮し、不動産を売却すべきか賃貸で持ち続けるべきかを検討しましょう。
相続した不動産が空き家の場合、維持管理の手間やコストを最小限にしたい方は売却を選ぶケースも多いです。
一方で、不動産を資産として手元に残しておきたい、家賃収入で運用したいと考える場合は、賃貸が有力になります。
どちらにせよ相続税等の納付が必要なときは、現金の確保が大きなポイントになります。早めに必要な資金を準備できるように物件理解やローン残債の有無を確認しましょう。
家族の感情面も重要な要素です。思い出がたくさん詰まったかつての家を手放したくない気持ちはとても自然なことです。
相続トラブルを回避するためには、家族全員が納得できる道を探り、時間をかけて話し合う姿勢が欠かせません。
相続税や他の遺族の意向を話し合う
相続する財産をどう分割し、税をどう納めるか、家の思い出をどう扱うかなど、家族ごとにさまざまな考え方があります。公平感や税負担の面から検討し、意向をすり合わせることが大切です。
法定相続分をベースに話を進めるだけでなく、誰が住むのか、将来移住の計画があるのか、資産をどのように運用するかなど、総合的な視野で合意を目指してください。
相続人の間で合意が得られない場合、弁護士や税理士など専門家に仲介を依頼するのも一つの方法です。
売却をすることにしたとき
不動産会社に相談して査定を受け、相場観を把握
不動産を売却すると決めたら、査定から契約、引き渡しまでの流れを把握し、迅速に対応することが求められます。
売却の際はまず不動産会社に相談して査定を受け、相場観を把握します。その後、媒介契約を結び、売却価格やスケジュールを決定して販売活動を行うのが一般的です。
購入希望者が見つかり契約を交わしたら、物件の引き渡しに向けて諸手続きを進めます。ここで相続登記が完了していなければ買主への引き渡しが難しくなる可能性もあるので注意が必要です。
売却益が出た場合は譲渡所得税の計算や確定申告が必要となる場合があります。税理士に相談して、正しく申告するようにしましょう。
空き家売却の流れ
空き家売却の一連の流れは、不動産会社への相談から始まります。物件調査や市場相場の査定を経て、希望価格を設定し、販促資料や広告の作成などで売り出しを進めましょう。
媒介契約の形態には一般媒介や専任媒介などがあり、募集範囲の広さや報酬規定などが異なるため、メリットとデメリットを比較検討してください。
内覧対応や契約手続きまでを計画的に進めると同時に、必要に応じて引っ越しやリフォームの準備を行い、スムーズな物件引き渡しを目指しましょう。
空き家を活用したいとき
自分たちの住まいにする、人に貸すなど選択は様々
売却以外にも空き家を有効に活用する方法は数多く存在します。ニーズを分析し、計画的に利用すれば新たな収益源につなげることも可能です。
空き家をリフォームして自分たちの住まいとして再活用するだけでなく、民泊やシェアハウス、オフィスへの転用などさまざまな選択肢があります。地域や立地によっては短期賃貸や貸しスペースとして需要がある場合もあります。
ただし、リフォームや改装をするときは十分なコスト計算と収支見通しを立てましょう。必要な許認可や建築基準法の制限など、法的要件も確認することが欠かせません。
活用方針が定まらない場合は、一度不動産会社や行政の空き家バンク制度などを調べ、専門家と一緒にプランを立てるとリスクを減らせます。
空き家活用の方法
空き家の活用方法は多岐にわたります。
例えば、簡易的な改装をしてシェアハウスや学生寮として貸し出す方法や、古民家カフェや店舗にリノベーションするイメージも広がりを見せています。
地域によっては自治体が空き家活用に補助金を出していることもあるので、補助制度を調べるのも有効な手段です。
利用目的やリフォームの規模、利回りなどを総合的に検討することで、長期的に安定した収益化を狙うことができます。
まずは税理士や不動産屋に相談しよう
早い段階でプロへ相談を
相続手続きや税金など専門的な知識が絡むため、早い段階でプロへ相談することが肝心です。
不動産相続を進めるうえで、相続税の申告や登記手続き、不動産の査定や売却は法律や経済の知識を要する場面が多々あります。
誤った情報をもとに独自で判断すると、後から思わぬリスクが生じる場合もあるのです。
税理士に相談することで、相続税の試算や申告書類の作成を正しく行えます。また、不動産屋への相談は、売却や賃貸など具体的な運用方法を絞り込むのに有効です。
専門家と連携して早めに手続きを進めれば、時間的な余裕が生まれ、家族の意見をじっくり反映させることもできます。
トラブルを避けるためにも、まずは相談先を確保しましょう。
まとめ
適切な段取りを踏めばスムーズにすすめられる
親が亡くなった際の不動産相続は、手続きの多さや税金面で戸惑うことも多いですが、適切な段取りを踏めばスムーズに進められます。
期限のある手続きから優先的に着手し、不動産評価や相続税の試算を行い、家族間で話し合いを重ねることが肝要です。遺言書の内容や相続人の範囲を早めに確認すると、のちの混乱を防ぐことができます。
不動産を相続するか放棄するか、売却か賃貸かなど、選択肢は多岐にわたります。各メリットやデメリットを理解し、将来の資産活用や家族の意向とも照らし合わせて最適解を導きましょう。
専門家のサポートを受けながら、期限を意識して合理的に手続きを進めることで、財産を有効に活用し、安心して相続を終わらせることが可能です。
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