2026年1月の中古マンション価格はどう動いた?三大都市圏の最新トレンドを徹底解説
2026年1月の中古マンション市場は、三大都市圏で上昇と弱含みがはっきり分かれました。首都圏と近畿圏は上昇が続く一方で、中部圏は小幅に下落し、エリア間の温度差が広がっています。
特に東京都は平均で1億円台を維持し、東京23区の高水準が首都圏全体の価格を押し上げています。同時に大阪府も勢いが強く、近畿圏の相場観そのものを引き上げつつあります。
本記事では東京カンテイの70㎡換算価格(売り希望価格ベース)を前提に、三大都市圏の総括から、首都圏・近畿圏・中部圏の内訳、東京23区のエリア別動向、そして今後の注目点までを整理して、2026年の市場トレンドを読み解きます。
三大都市圏の総括
首都圏は18カ月連続上昇、近畿圏も堅調、中部圏は弱含み
まずは三大都市圏の全体像を押さえ、どのエリアが上昇を主導し、どこが踊り場に入っているのかを確認します。
2026年1月は、首都圏と近畿圏がそろって上昇し、中部圏だけが小幅に下落しました。三大都市圏の同じ指標で比較しても方向感が割れたことで、全国一律に動く相場ではなく、都市ごとの需給で価格が決まる局面に入っていることが見えてきます。
ポイントは上昇している都市圏でも上げ方が均一ではないことです。首都圏は東京都が突出して平均値を押し上げ、近畿圏は大阪府の伸びが全体を牽引しています。一方で中部圏は、前年比ではプラスを保ちやすいものの、足元の勢いが鈍って「高値が通りにくい」状態になりつつあります。
こうした二極化は、買い手の購買力の差だけでなく、売り物件の構成(築浅比率、都心寄り比率)や、投資資金の流入の偏りにも左右されます。数字の上下だけでなく、どの層がどのエリアに集中しているかを意識すると、次の一手が読みやすくなります。
2026年1月の三大都市圏の動向(70㎡換算価格)
70㎡換算価格で見ると、首都圏・近畿圏は前月比プラス、中部圏は前月比マイナスという構図になりました。上昇局面にある都市圏では、価格の上振れを許容できる需要が残っている一方、弱含みの都市圏では高値に対する反応が鈍くなっています。
この差は、単に景気の良し悪しというより、人口流入、雇用の厚み、賃料上昇による投資採算、そして都心へのアクセス価値といった複合要因で広がります。特に中古マンションは立地の序列が価格に出やすく、都市圏の中でも中心部が強いほど平均が押し上がる傾向があります。
結果として市場は上昇圏と踊り場圏に分かれ、さらに上昇圏の中でも東京都と大阪府の存在感が際立つ形になりました。これが2026年の「相場の主役」が限られていることを示すサインになります。
首都圏:6,672万円(+1.8%)
首都圏は6,672万円で前月比+1.8%となり、上昇基調が続きました。特徴は東京都だけが強いのではなく、神奈川・埼玉・千葉もそろってプラスとなり、広域で強含んだ点です。
ただし、上昇の中心が東京都であることは変わりません。都内の高額帯が平均を押し上げ、周辺県は「追随はするが上げ幅は限定的」という関係になりやすく、首都圏の中でも価格差が広がりやすい局面です。
実務的には、都内で買えない層が周辺県へ流れるだけでなく、都内で売る側が強気の価格設定を続けられる環境が整っていることを意味します。結果として、首都圏全体の下支えが効きやすい一方、都内中心部の動きが止まると平均値が変動しやすい点には注意が必要です。
近畿圏:3,358万円(+1.6%)
近畿圏は3,358万円で前月比+1.6%と堅調でした。上昇率そのものは首都圏に近い水準ですが、価格水準は異なるため、買い手の体感としては「まだ現実的な選択肢が残る市場」として評価されやすい局面です。
上昇の牽引役は大阪府で、近畿圏全体の相場観を引き上げています。中心都市が先に上がり、周辺が遅れてついてくる展開はよくありますが、今回は兵庫もプラスで推移しており、上昇が点ではなく面で広がる入口に見えます。
連続上昇が続く局面では、売り手の値付けが強気になりやすく、買い手は「値下がりを待つ」よりも「条件を調整して決める」行動に寄りがちです。近畿圏はまさにその局面に入りつつあります。
中部圏:2,306万円(▲0.3%)
中部圏は2,306万円で前月比▲0.3%となり、弱含みが続きました。下落幅は小さいものの、上昇の勢いが鈍化していることが数字に表れています。
前年比ではプラスを保ちやすい一方、足元でマイナスが出ると、売り手の強気の値付けが通りにくくなり、成約までの期間が伸びたり、価格改定が増えたりする前兆になり得ます。つまり「急落」ではなく「高値の受け止めきれなさ」が問題になりやすい状態です。
中部圏の判断で重要なのは、需要が消えたかどうかではなく、需要が買える価格帯に売り物件が合っているかという点です。高値の築浅が増えると平均は上がりやすく、逆にそれが動かないと平均は押し下げられるため、物件の質と量の両面から見る必要があります。
首都圏
東京都が1億円超を維持、全エリアで上昇
首都圏は18カ月連続上昇で、東京都の高騰が市場全体を押し上げています。都県別に上昇の内訳と格差の広がりを見ます。
首都圏は上昇が長期化しており、短期的なブレでは説明しにくい相場になっています。とりわけ東京都が平均で1億円を超える水準に達したことで、首都圏の「基準価格」そのものが切り上がりました。
一方で、神奈川・埼玉・千葉もそろってプラスとなっており、都内だけが孤立して上がっているわけではありません。都内の高騰を受けて、通勤圏の中で予算と立地の折り合いをつける動きが広がっていることが背景にあります。
ここで押さえたいのは、同じ上昇でも意味が違う点です。東京都は高額帯の取引・売り出しが増えるだけで平均が跳ねやすく、周辺県は相対的な割安感で需要が増えても上昇率は緩やかになりやすい構造があります。
首都圏全体:6,672万円(+1.8%)で18カ月連続上昇
首都圏全体は6,672万円で前月比+1.8%となり、18カ月連続の上昇です。連続上昇という事実は、需給が一時的に引き締まったのではなく、買い手が受け入れる価格レンジが継続的に上がっていることを示します。
今回の特徴は全域で強含んだ点で、東京都が牽引しつつも周辺県もプラスになりました。東京都の高水準が周辺県の割安感を際立たせ、結果として首都圏全体の需要が分散しながらも落ちにくい形になっています。
ただし平均値は「どんな物件が多く売りに出たか」にも左右されます。築浅や駅近の比率が増えると平均は上がりやすいため、相場判断では平均の動きとあわせて、流通している物件の属性変化も意識することが重要です。
• 前年同月比:+28.7%
前年同月比+28.7%は、短期の上昇を超えた強さを示す水準です。前月比は季節要因や売り出し構成でブレますが、前年比が高水準で続くと、相場のトレンドが明確だったと判断しやすくなります。
この伸びは「同じ物件が単純に値上がりした」だけでなく、より高い価格帯の物件が流通の中心になった可能性も含みます。つまり相場上昇と商品構成の高額化が同時に起きると、前年比が一段と強く見える点には注意が必要です。
購入検討では、前年比の高さをそのまま将来の上昇期待に置き換えるのではなく、ローン金利や賃料の伸び、流通量の増減と整合しているかを合わせて確認すると判断の精度が上がります。
• 過去に例を見ない上昇ペース
上昇率と上昇期間の両方が大きい局面は、需給の歪みが起きているサインになりやすいです。具体的には、都心志向の強さ、築浅・駅近の希少性、投資資金の滞留、そして住み替え層が売りに出しにくい環境などが重なると、価格が上がりやすくなります。
中古市場は新築よりも供給調整が効きにくく、人気エリアでは「良い物件ほど市場に出にくい」ため、出た瞬間に高値でも反響が集まりやすい構造があります。その結果、売り希望価格が押し上げられ、データ上の上昇が継続します。
ただし過熱局面では、買い手のボリュームゾーンが動ける価格を超えた途端に、反響が急に落ちることがあります。上昇が続いているほど、次に見るべきは価格そのものより、在庫の増減や価格改定の増え方です。
東京都:1億427万円(+1.8%)で21カ月連続上昇
東京都は1億427万円で前月比+1.8%となり、21カ月連続の上昇です。首都圏の平均上昇を説明するうえで、東京都の存在は中心そのものになっています。
平均で1億円を超える水準が続くと、購入者の中心は高所得の実需だけでなく、資産保全を重視する層や投資目的も混ざりやすくなります。買い手の目的が多様化すると、価格に対する許容度が上がり、下がりにくさが強まる傾向があります。
一方で、東京都の平均は都心部の影響を強く受けます。都内全域が同じ熱量で上がっているとは限らないため、検討時は区や沿線、築年数別に分解して「自分が買う場所の相場」を確認することが欠かせません。
• 前月に続き“1億円台”を維持
平均で1億円台を維持していることは、「一時的に跳ねた」ではなく「1億円が相場の中心に入り始めた」ことを意味します。資金計画の面では、従来の感覚で借入可能額を積み上げても届かないケースが増え、自己資金の厚みやペアローン前提の検討が現実的になりやすいです。
投資や資産性の観点では、価格が上がるほど利回りは低下しやすくなります。そのため、キャピタルゲイン期待だけでなく、売却時の流動性や、賃料の伸びがどこまで追いつくかがより重要になります。
つまり1億円台の定着は、単なる数字のインパクトではなく、買い方と選び方のルールが変わる転換点と捉えるのが実務的です。
• 前年同月比:+35.2%という異常な伸び
前年同月比+35.2%は突出した伸びで、東京都の上昇が「平均値の世界」で加速していることが分かります。背景としては、都心・人気区の高額帯が市場の見え方を支配しやすいことが挙げられます。
加えて、築浅やブランド立地の物件が多く流通すると、同じエリアでも平均が大きく跳ねます。実需の感覚としては「急に高くなった」と感じやすい一方、統計上は「高いものが増えた」影響も混ざるため、体感と数字がずれることがあります。
この伸びを見たときに重要なのは、上昇の持続性よりも、どのゾーンが買われ続けているかです。都心に偏っているなら周辺への波及余地があり、都内全域に広がっているなら全体の耐久力が高いと評価できます。
神奈川・埼玉・千葉も上昇
神奈川・埼玉・千葉がそろって上昇したことで、首都圏は「都内だけの相場」ではなくなっています。都内の価格水準が上がるほど、通勤利便と価格のバランスを求める層が周辺県へ動き、周辺県の需給も締まりやすくなります。
ただし周辺県の上昇は、東京都の代替需要に支えられる側面が大きいです。都内の反響が弱まる局面では周辺県も遅れて影響を受ける可能性があるため、短期で追いかけるより、生活動線と資産性の両面で納得できる地点を選ぶのが安全です。
周辺県はエリアごとの差が大きく、同じ県内でも駅力や再開発、供給量で動きが変わります。平均だけで判断せず、主要駅周辺の在庫と価格改定の状況まで見ると精度が上がります。
• 神奈川:4,148万円(+1.2%)
神奈川は4,148万円で前月比+1.2%となり、上昇に転じています。横浜・川崎など都心直結エリアは、都内に近い利便性を持ちつつ価格が相対的に抑えられるため、代替需要が入りやすいのが特徴です。
神奈川はエリアの幅が広く、価格帯のレンジも大きい県です。そのため平均値は、どのエリアの売り出しが増えたかで動きやすく、検討では沿線・駅距離・築年数の条件をそろえて比較することが重要になります。
都内の高止まりが続く限り、神奈川の主要エリアは底堅くなりやすい一方、供給が増えたときに価格改定が先行しやすいのも神奈川の特徴です。
• 埼玉:3,140万円(+0.2%)
埼玉は3,140万円で前月比+0.2%と小幅上昇です。上昇局面では「無理なく買える価格帯」が残りやすく、実需にとっては選択肢としての安定感が出やすい動きといえます。
小幅上昇は勢い不足ではなく、価格が上がりすぎないことで需要が途切れにくい状態とも解釈できます。住宅ローン金利が上がる局面では、こうした緩やかな上昇エリアの相対価値が上がることがあります。
資産性を考えるなら、県内でも駅力が高い地点や、都心直結で通勤時間が読みやすい路線に寄せるのが定石です。平均ではなくミクロで選ぶほど、ブレに強くなります。
• 千葉:2,852万円(+0.5%)
千葉は2,852万円で前月比+0.5%とプラスを継続しています。都内通勤圏でありながら価格水準が抑えられやすく、手頃感が需要を下支えしやすい点が強みです。
千葉はエリアによって通勤利便と生活利便のバランスが大きく異なるため、価格だけで選ぶと満足度が下がりやすいです。駅近や再開発の有無、沿線の運行安定性など、日常のストレス要因まで含めて比較すると失敗が減ります。
上昇が続く局面では、売り手が強気になりやすい一方で、買い手の上限も見えやすいです。価格改定が入りやすい物件の特徴を押さえ、交渉余地を見極めることが有効になります。
• ただし東京都の伸びが突出し、格差が拡大
首都圏が全体として上昇していても、東京都の伸びが突出すると、首都圏内の格差は拡大します。価格水準の差が開くほど、住み替えの難易度や通勤圏の選択が変わり、世帯の意思決定に直接影響します。
格差拡大の本質は、単なる金額差ではなく「買える層が変わる」ことです。東京都は富裕層・投資資金・高所得実需が重なりやすく、周辺県は価格弾力性が高い実需中心になりやすいので、同じ首都圏でも相場の決まり方が違ってきます。
この差が続くと、都内はさらに良い条件の物件に需要が集中し、周辺県は生活利便と価格の最適化がテーマになります。首都圏という括りではなく、目的別に市場を見ることが重要です。
近畿圏
大阪が4,000万円目前、8カ月連続上昇
近畿圏も上昇が続き、特に大阪の伸びが目立ちます。首都圏ほどの急騰ではないものの、地合いの強さを確認します。
近畿圏は上昇が続き、相場が一段切り上がりつつあります。首都圏ほどの水準ではないため見落とされがちですが、前年比で見ると十分に強い動きで、需給が締まっていることがうかがえます。
特に大阪府は上昇の中心で、近畿圏全体の平均を押し上げています。中心都市が強いと、周辺県にも波及しやすく、買い手の検討範囲が広がることで市場の厚みが出てきます。
近畿圏の特徴は、実需と投資の両方が混ざりやすい点です。中心部の利便性を求める実需に加え、相対的な価格水準の魅力から投資資金も入りやすく、上昇が継続しやすい環境になっています。
近畿圏全体:3,358万円(+1.6%)
近畿圏全体は3,358万円で前月比+1.6%となりました。8カ月連続の上昇で、トレンドとしても堅調です。
近畿圏の上昇は、大阪府が中心になりやすい一方で、主要エリアがそろってプラスになりやすい局面に入ると、平均の底堅さが増します。買い手が「大阪が高いなら周辺へ」という選択を取りやすくなるためです。
検討実務では、上昇局面ほど「買う理由」を明確にすることが重要です。通勤、学区、将来売却のしやすさといった軸が明確だと、相場の上下に振り回されにくくなります。
• 前年同月比:+13.8%
前年同月比+13.8%は二桁上昇で、価格が着実に切り上がってきたことを示します。首都圏ほどの伸びではないものの、上昇が「局地的な一部の高騰」ではなく、都市圏として続いている点が重要です。
前年比が二桁になると、売り手は過去の水準での値付けをしにくくなり、買い手も「待てば安くなる」という前提を置きづらくなります。結果として、良い物件に需要が集中し、条件の弱い物件は価格改定で動くという二層化が進みやすくなります。
この局面での対策は、相場の平均ではなく、検討エリアの直近の成約水準や、値下げ率の分布を確認することです。上がっている市場でも、値下げされる物件は必ず存在します。
• 首都圏ほどではないが堅調
近畿圏は首都圏ほどの急騰感は小さい一方で、堅調に上昇しています。この「過熱感が相対的に小さい上昇」は、実需には検討しやすく、投資にも読みやすい市場になりやすい特徴があります。
価格が一気に跳ねない市場では、買い手が物件の質を見極めやすく、売り手も根拠ある価格設定が求められます。その結果、立地や管理状態といった本質的な差が価格に反映されやすくなります。
つまり近畿圏の堅調さは、単なる上昇ではなく、相場が成熟しながら上がっている可能性を示します。選ぶ側は、築年数だけでなく管理と修繕計画まで踏み込むほど、満足度と資産性が安定します。
大阪府:3,994万円(+2.2%)
大阪府は3,994万円で前月比+2.2%となり、近畿圏の上昇を主導しています。4,000万円が目前という水準は、単に数字が増えた以上に、買い手の予算感と売り手の強気が切り替わる節目です。
上昇が続くと、売り希望価格が先に上がり、成約が追いかける形になりやすいです。売り物件の回転が落ちない限り相場は維持されやすい一方、回転が鈍ると値下げが増えて見え方が変わります。
大阪は「第二のホットマーケット」として注目されやすい局面ですが、同じ大阪府内でも中心部と郊外で需要の質が異なります。買う場合は、将来の売却のしやすさまで想定し、駅距離と路線力を優先するとリスクを抑えられます。
• 8カ月連続上昇
8カ月連続上昇は、短期的な反発ではなく、需給が継続的にタイトであることを示します。連続性があるほど、売り手が強気の価格を維持しやすく、買い手は競合を前提に動く必要が出てきます。
また連続上昇の期間が伸びるほど、相場観が更新され、過去の取引事例が参考になりにくくなります。半年以上前の成約価格で判断すると「高すぎる」と感じてしまい、機会損失になりやすい点は注意です。
検討者は、直近1〜3カ月の成約・売出し・値下げの状況をセットで見て、上昇が実需で支えられているのか、投資の色が強いのかを見極めると判断がぶれにくくなります。
• 4,000万円台が目前
4,000万円は心理的な節目で、ローンの借入額や月々返済のイメージが変わるラインです。ここを超えると、買い手は条件を下げるか、エリアを広げるか、購入時期を見直すかの選択を迫られます。
売り手側では、節目を超えると「この価格でも売れる」という成功体験が増えやすく、強気の値付けが増える傾向があります。結果として、相場の表示価格は上がりやすい一方、条件の弱い物件は価格改定で調整されやすくなります。
つまり4,000万円目前は、相場の天井を断定する材料ではなく、市場の選別が強まるシグナルです。買い手は物件の優先順位をはっきりさせることが重要になります。
• 前年同月比:+20.8%と大幅上昇
前年同月比+20.8%は大幅上昇で、大阪府の勢いが数字として明確です。これは近畿圏の中でも大阪が先行して上がっていることを示し、資金が集まりやすい中心市場になっていることを裏付けます。
前年比が大きいと、投資の観点では過去の利回り前提が崩れやすくなります。そのため、賃料の伸びや空室率、管理費・修繕積立金の上昇余地まで含めて採算を見る必要があります。
実需の観点では、同じ条件で買える物件が減るため、通勤利便や将来の家族構成の変化に耐える間取りなど、暮らしの納得感を優先して選ぶことが後悔を減らします。
兵庫県:2,556万円(+1.0%)
兵庫県は2,556万円で前月比+1.0%となり、近畿圏の上昇が周辺にも波及していることが分かります。大阪の上昇が続くと、相対的に手が届きやすいエリアとして兵庫が選ばれやすくなります。
兵庫は神戸など都市部と、郊外・沿線部で市場の性格が異なります。都市部は利便性と希少性で価格が支えられやすく、郊外は供給量や駅距離で価格の差がつきやすいです。
大阪一極で終わるか、周辺へ広がるかを判断するには、兵庫での上昇が継続し、流通量が増えても値崩れしないかを見ることが有効です。
• 上昇基調が強まりつつある
兵庫のプラスは、上昇基調が強まりつつある兆しとして捉えられます。中心市場の大阪が上がると、買い手は通勤圏の中で最適解を探し、周辺の優良立地に需要が波及します。
ただし波及上昇は、広く薄く起きるのではなく、駅力が高い地点や生活利便が整ったエリアに集中しやすいです。逆に供給が多い場所では、上昇が一服しやすいこともあります。
検討では、県平均ではなく、狙う駅の中古在庫の増減と、価格改定の出方を確認することが実践的です。需要が強い場所は値下げが起きにくく、弱い場所ほど改定が早く出ます。
中部圏
2カ月連続の弱含み、愛知県も下落
中部圏は足元で弱含みが続き、三大都市圏の中で出遅れが目立ちます。中部圏平均と愛知県の動きを分けて確認します。
中部圏は三大都市圏の中で弱含みが目立つ結果となりました。下落幅は大きくないものの、上昇が続いてきた市場が「一段上の価格を受け入れにくい」局面に入ると、まずは横ばいから小幅安という形で表れやすいです。
重要なのは、足元の下落をもって悲観に傾きすぎないことです。前年比がプラスであれば中期では底堅さも残りますが、前月比がマイナスで続くと、売り手の強気が通らず調整が長引く可能性があります。
中部圏は中心の愛知県が同時に弱い動きのため、局地的な要因というより都市圏全体の需給バランスの変化として見たほうが適切です。今後は金利環境や雇用、再開発の進捗が相場の方向感を左右しやすくなります。
中部圏:2,306万円(▲0.3%)
中部圏は2,306万円で前月比▲0.3%となり、続落です。首都圏・近畿圏が上昇する中での弱含みは、相対比較で「踊り場」感を強めます。
踊り場局面では、買い手は選別を強め、売り手は価格設定を見直す必要が出てきます。特に売り希望価格ベースの指標では、反響の弱さが出ると価格改定が増え、数カ月遅れて指標に反映されやすい点を押さえておくと読み違いが減ります。
つまり中部圏は、急落局面というより、需給の微妙な緩みを市場が消化している段階です。これが短期調整で終わるか、中期停滞に入るかは、流通量と成約の回転で見極める必要があります。
• 2カ月連続で下落
2カ月連続の下落は、単月のノイズではなく、トレンド転換の可能性を意識させます。中古マンション市場は季節性もありますが、連続してマイナスが出ると、買い手が高値を避け始めたサインになり得ます。
この局面で起きやすいのは、良い物件は売れるが平均的な物件が動きにくいという選別です。結果として売れ残りが増え、価格改定が増えると、体感の相場は一段と弱く感じられます。
売り手は「まず出して反応を見る」戦略が通りにくくなるため、最初の価格設定の精度が重要になります。買い手は逆に、交渉余地が生まれやすくなるため、条件整理ができているほど有利です。
• 前年同月比は+1.3%とわずかな上昇
前年同月比+1.3%は、辛うじてプラスという水準で、伸び悩みがはっきりしています。短期では弱くても、前年比がプラスなら中期では底堅いとも読めますが、プラス幅が小さいほど反転の材料が必要になります。
この状態は、相場が上がり続ける期待で買われるというより、立地や物件の質で買われる市場に戻っているとも解釈できます。言い換えると、相場全体の追い風よりも、個別物件の競争力が価格を決める比重が高まります。
したがって中部圏では、平均指標の上昇を待つより、個別の優良物件を適正価格で拾う戦略が有効になりやすい局面です。
愛知県:2,443万円(▲0.7%)
愛知県は2,443万円で前月比▲0.7%と下落し、中部圏の弱さを補強する結果です。中部圏の中心で下落が出ると、都市圏全体のムードにも影響しやすくなります。
愛知は名古屋市を含む中心部と周辺部で需給が異なり、平均が下がるときは、売り物件の属性変化か、需要の鈍化かを切り分ける必要があります。特に築浅や駅近の比率が減ると平均は下がりやすいので、数字だけで需要が落ちたと決めつけないことが重要です。
ただし続落が続くと、買い手が様子見を強め、売り手が価格改定で対応する流れが強まります。反転には、需要の回復だけでなく、適正価格への調整が進むことも条件になります。
• こちらも2カ月連続下落
愛知県も2カ月連続下落となり、弱さが一時的ではない可能性が出ています。中心県での連続下落は、投資目線でも実需目線でも「強気で追いかける局面ではない」と判断されやすくなります。
この局面では、成約が減るというより、成約までに時間がかかる形で出ることが多いです。売り希望価格が維持されても、実際には価格改定や条件調整で成立していくため、指標に反映されるまでタイムラグがあります。
買い手は、急いで決める必要が薄れる一方、良い物件だけは動くため、待つだけでは機会を逃すこともあります。比較対象となる成約事例の鮮度を上げることが大切です。
• 前年同月比+1.2%と伸び悩み
前年同月比+1.2%は伸び悩みで、首都圏・近畿圏との温度差が見えてきます。人口動態や投資資金の流入、賃料上昇の強さといった要因の差が、価格の伸びに反映されている可能性があります。
投資の視点では、賃料が伸びにくいと価格上昇が続きにくくなります。実需の視点では、所得の伸びと価格の伸びがかみ合わないと、買い手が慎重になりやすいです。
つまり愛知の伸び悩みは、需要がゼロという話ではなく、上昇を正当化する材料が不足している状態ともいえます。反転を見るなら、賃貸市場の強さや雇用の改善、中心部の再開発など、需要を押し上げる材料が出るかが鍵です。
東京23区
1億2,123万円、都心6区は1億8,796万円に
東京都の中でも価格形成を左右するのが東京23区、とりわけ都心部です。23区全体と内部エリア別の上昇度合いを整理します。
東京都の平均が1億円台に乗る中で、価格形成の中心にいるのが東京23区です。23区は高額帯のボリュームが大きく、流通する物件の質が少し変わるだけでも平均値が動きやすいという特徴があります。
また23区内でも、都心6区、城南・城西、城北・城東で価格水準も上昇率も異なります。単純に「都内は高い」でまとめると、買えるエリアの見落としや、割高な物件を掴むリスクが増えるため、区分ごとの動きが重要です。
足元ではいずれのエリアも上昇しており、上昇が特定エリアに限らず広がっていることが分かります。その中でも、城南・城西の伸びが強く、都心に近い実需の厚さが価格に反映されていると考えられます。
東京23区:1億2,123万円(+1.4%)
東京23区は1億2,123万円で前月比+1.4%となりました。高水準を保ちながら上昇が続いており、都内相場の中心が23区にある構図は変わっていません。
23区の動きは、東京都全体の平均にも強く影響します。23区内の都心寄りで高額帯の流通が増えると、都全体の平均は押し上げられ、逆に周縁部の比率が増えると平均が落ち着くという関係があるためです。
購入の観点では、23区平均はあくまで参考値で、狙うエリアの相場と乖離しやすい点に注意が必要です。特に都心6区とそれ以外では価格帯が別市場に近く、資金計画も売却戦略も変わります。
• 上昇は継続するも、伸び率はやや鈍化の兆し
23区は上昇が続いている一方で、伸び率は極端に跳ねるというより、やや落ち着いた動きに見えます。高値圏では、買い手の予算上限に近づくほど反響が鈍り、上昇のスピードが落ちやすいです。
鈍化の背景としては、高値抵抗感に加え、流通量の増減も影響します。売り物件が増えると選択肢が広がり、売り手同士の競争が生まれて価格改定が増えやすくなります。
ただし鈍化は下落の予告ではありません。上昇の中の調整として起きることも多いため、判断材料としては、在庫の積み上がり方と値下げ率が同時に増えているかを確認すると実務的です。
エリア別の詳細
東京23区の内部を都心6区、城南・城西6区、城北・城東11区に分けると、価格水準と伸び方の違いが明確になります。都心6区は圧倒的に高額で、需要層が厚く価格が下がりにくい一方、伸び率は安定的になりやすいです。
城南・城西は都心への近さと住環境のバランスから実需の支持が強く、上昇率が出やすいゾーンです。城北・城東は水準が相対的に低いものの、上昇が続くことで「23区内の手が届く範囲」として需要が入りやすくなります。
この区分で見ると、上昇は一部の高級エリアだけでなく、23区内で広がっていることが分かります。つまり東京の相場は都心が作りつつも、実需の厚みが周辺を押し上げる形になっています。
• 都心6区:1億8,796万円(+1.1%)
都心6区は1億8,796万円で前月比+1.1%となり、超高額帯でも上昇が続いています。高水準にもかかわらず動く背景には、富裕層需要や資産保全需要、築浅・高仕様物件の希少性があります。
都心6区は、供給が増えたとしても「代替が効きにくい立地」が多く、価格が崩れにくい傾向があります。その一方で、価格水準が高すぎるため、金利上昇や景気後退の影響が出ると取引量が先に減ることがあります。
検討者は、価格の上下よりも流動性を重視すると安全です。具体的には、駅距離、管理状態、規模感など、売却時に買い手がつきやすい条件を満たすかが重要になります。
• 城南・城西6区:9,933万円(+2.3%)
城南・城西6区は9,933万円で前月比+2.3%と伸びが強い結果です。都心に近い利便性を保ちながら、都心6区よりは価格が抑えられるため、実需が厚く、需給が締まりやすいゾーンになっています。
また9,933万円という水準は1億円が視野に入る価格帯で、買い手の検討が集中しやすい一方、売り手も強気になりやすいです。結果として上昇率が出やすく、相場の主戦場になりやすい特徴があります。
このゾーンでは、似た条件の物件が複数出にくいエリアも多いため、比較できるうちに意思決定することが重要です。迷う場合は、管理状態と将来の修繕負担を確認し、価格の妥当性を見極めると失敗が減ります。
• 城北・城東11区:7,648万円(+1.8%)
城北・城東11区は7,648万円で前月比+1.8%となり、相対的に価格水準が低いゾーンでも上昇が続いています。これは23区内で需要が広がっていることを示す重要なサインです。
このゾーンは「都心に比べて割安」という理由だけでなく、再開発や交通利便の改善、生活コストのバランスなど、居住価値の評価が上がると上昇が続きやすくなります。
一方で上昇が進むほど、エリア内の格差も出ます。駅から遠い、管理が弱い、修繕が不透明といった要因がある物件は上がりにくいため、同じ区内でも物件選別がより重要になります。
• いずれも上昇、特に城南・城西の伸びが強い
23区の3エリアはいずれも上昇しており、上昇が広範囲に及んでいます。その中でも城南・城西の伸びが強いのは、都心に近い実需の厚さと、供給の希少性が同時に働きやすいからです。
都心6区は高水準で安定的に上がり、城北・城東は相対的な手頃感で底上げされる一方、城南・城西は「都心準拠の利便性」と「ぎりぎり届く価格帯」が重なり、値動きが出やすいゾーンになります。
この違いを理解すると、都内での買い方が整理しやすくなります。資産性重視なら都心、暮らしと資産性のバランスなら城南・城西、予算を抑えて23区内を狙うなら城北・城東というように、目的別に戦略を立てやすくなります。
今回のデータから読み取れる市場の特徴
上昇の牽引役や地域差といった構造を読む
価格データを並べるだけでなく、上昇の牽引役や地域差といった構造を読むことで、売買判断に役立つ示唆が得られます。
2026年1月のデータは、単に上がった・下がったではなく、どの都市が相場の主役なのかを明確に示しています。首都圏は東京都、近畿圏は大阪府が牽引し、中部圏は踊り場入りという構図です。
この構図は、価格が需要で決まるというより、需要の種類と厚みで決まる段階に来ていることを意味します。富裕層・投資・高所得実需が集まりやすい場所ほど平均が上がりやすく、実需中心で価格に敏感な市場は上げにくいという差が出ます。
さらに、都市圏間の差だけでなく、都市圏内の差も拡大しています。つまり「同じ首都圏」「同じ東京」でも結果が違うため、エリア選びと物件選びの重要性が一段上がっています。
① 東京都の価格上昇が市場全体を牽引
三大都市圏で最も影響が大きいのは東京都の上昇です。首都圏の平均上昇の中心に東京都があり、東京都の高額帯が全国の相場観にも影響を与える形になっています。
特に東京23区の動きが強く、都心と都心近接の需要が厚いことが平均を押し上げます。これは単なる人気ではなく、雇用の集積、交通利便、賃貸需要の厚みなど、価格を支える構造があるためです。
したがって市場を読むうえでは、東京都が上がったという事実より、東京都のどのエリアが上がっているか、そしてその上昇が周辺にどう波及しているかを見ることが重要になります。
• 1億円台が定着
平均1億円台の継続は、東京都の中古マンション市場が新しいレンジに移行した可能性を示します。定着とは、単月の到達ではなく、複数月にわたりその水準が維持され、買い手が実際に反応している状態です。
この状態になると、購入層が変わりやすいです。従来の一般的な実需だけではなく、資産性重視の層や投資目的が入り、価格への耐性が上がります。結果として下がりにくさが増える一方、取引の中心が限定されるため、物件の選別は強まります。
買い手は無理な背伸びより、将来売れる条件を優先することが重要です。売り手は「1億円台だから強気」ではなく、同条件の競合物件と比べて優位性があるかを示せるかが成約の鍵になります。
• 価格上昇の中心は都心・城南・城西
都心6区と城南・城西の強さは、東京都の上昇の核がどこにあるかを示しています。都心は希少性と資産性、城南・城西は実需の厚みと住環境の評価が価格を支えています。
この2ゾーンが強いと、周辺のエリアにも波及は起きますが、波及の仕方は一律ではありません。利便性が高く、供給が限られる地点ほど上がりやすく、条件の弱い物件は置いていかれます。
つまり都内の上昇は、広がりながらも選別が同時に進む上昇です。買い手はエリアの人気だけでなく、将来の流動性を左右する駅距離・管理状態・規模感といった要素を重視すべき局面です。
② 大阪の上昇が顕著で“第二のホットマーケット”に
大阪府の上昇は、近畿圏全体の相場を押し上げるだけでなく、全国の資金の向き先としての存在感も高めています。首都圏一強ではなく、複数の中心市場が同時に強い局面に入っていることが特徴です。
大阪は価格水準が首都圏より低いため、上昇余地があると見なされやすい一方、上昇が続くと「割安」という理由だけでは買われにくくなり、立地や物件の質で選別が強まります。
今後は大阪の上昇がどこまで周辺へ波及するかが焦点です。中心部だけが上がるのか、周辺の優良エリアが追随するのかで、近畿圏の投資・実需の戦略は変わります。
• 4,000万円目前
大阪府が4,000万円目前という事実は、相場観の節目として重要です。節目を超えると、売り手は値付けの前提を上げ、買い手は予算配分や条件の優先順位を見直す必要が出ます。
また節目は、動く物件と動かない物件の差を拡大させます。立地や管理が良い物件は節目を超えても売れやすい一方、条件が弱い物件は価格改定で調整され、相場の中での二極化が進みます。
買い手は節目の数字に振り回されず、同条件の成約帯を見て「支払い能力の範囲内で、売りやすい条件を満たすか」を基準にすると判断が安定します。
• 近畿圏全体の価格を押し上げる
大阪が上がると、近畿圏全体の平均も上がりやすくなります。中心市場が上昇すると、周辺県は相対的に割安に見え、需要が分散して広がるからです。
兵庫がプラスで推移していることは、波及の入口として解釈できます。今後、周辺が追随するかは、周辺エリアの在庫増に対して価格が崩れないか、つまり需要の厚みが本物かどうかで判断できます。
近畿圏での戦略は、大阪の中心部を追うか、周辺の優良立地を先回りするかの二択になりがちです。いずれにしても、路線力と駅距離という売却時の流動性を左右する条件は外さないことが重要です。
③ 中部圏は明確に“踊り場”入り
中部圏は続落と伸び悩みが同時に見られ、踊り場入りの色が濃くなっています。踊り場とは、相場が崩れるというより、上昇の正当化が難しくなり、買い手が慎重になる状態です。
踊り場局面では、平均値の動きよりも、市場の回転が重要です。成約までの期間が伸びる、価格改定が増える、同じ物件が長く残るといった現象が増えると、体感の相場は弱くなります。
反転の条件は、需要が戻ることだけではありません。供給の質が改善する、適正価格に調整される、賃料や雇用などのファンダメンタルズが強まる、といった複数の材料が必要になりやすいです。
• 価格上昇の勢いが弱い
前月比がマイナスで、前年比も小幅プラスにとどまる状態は、上昇の勢いが弱いことを示します。これは買い手の購買力が急に落ちたというより、高値を受け止める需要が限定されてきた可能性があります。
勢いが弱い市場では、物件の差が価格に出やすくなります。駅近や管理が良い物件は売れる一方、条件の弱い物件は価格改定で動くため、平均が緩みやすいです。
買い手にとっては、相場が落ち着くほど比較検討がしやすくなり、無理な妥協を減らせます。売り手にとっては、相場任せではなく、競合との差別化と価格設定の根拠づけが必須になります。
• 他都市圏との温度差が拡大
首都圏・近畿圏が上昇し、中部圏が弱含むことで、温度差が拡大しています。温度差は、投資資金の向き先や人口流入、賃料上昇の強さの差として表れやすいです。
特に投資目線では、賃貸需要の厚みと賃料の伸びが価格を支えるため、賃料が伸びにくいと価格上昇が続きにくくなります。実需目線では、雇用の見通しや転入超過が買い手の心理を左右します。
中部圏はこの温度差を埋める材料が出るかが重要で、再開発や企業投資など、需要を生むニュースが実需と投資の両面に効いてくるかが焦点になります。
④ エリア間格差がさらに拡大
今回のデータは、都市圏間の格差と、都市圏内の格差が同時に拡大していることを示しています。東京と大阪が強い一方で中部圏が弱く、さらに首都圏内でも東京都と周辺県の差が広がっています。
格差拡大は、住み替えや投資の難易度を上げます。上がるエリアでは参入障壁が高まり、下がるエリアでは出口戦略が重要になります。どちらも「平均で判断する」ほど失敗しやすい局面です。
結論として、今後はエリア選びが結果を左右します。同じ予算でも、路線、駅距離、管理状態、供給量で将来の売りやすさが変わるため、相場観ではなく流動性を軸に判断することが重要になります。
• 首都圏内でも東京都と周辺県で差が拡大
東京都は前年比で突出した伸びを示し、周辺県はプラスでも上げ幅が相対的に小さいため、差が拡大します。この差は、単なる価格差ではなく、購入できる層の違いを生みます。
差が広がると、周辺県は需要が入りやすくなる一方、都内の動きが変調すると遅れて影響を受けることがあります。特に都内の高額帯が先に反応するため、周辺県は安心材料ではなく、遅行指標として見る意識が必要です。
住み替えでは、都内から周辺へは選択肢が増える一方、周辺から都内へは難易度が上がります。将来の選択肢を残したいなら、周辺県でも駅力の高いエリアを選ぶのが合理的です。
• 三大都市圏間でも伸び率に大きな違い
首都圏・近畿圏がプラス、中部圏がマイナスという対比は、三大都市圏間の伸び率の差を明確にしました。東京と大阪が強く、中部が弱いという三極化が進んでいると捉えられます。
この差は短期で埋まりにくいことがあります。価格は期待で動く面もありますが、最終的には賃料、雇用、人口といった基礎体力に収れんしやすく、体力差があるほどトレンドは続きやすいからです。
買い手は、上がる市場では「買える範囲での最適化」、弱い市場では「出口を意識した適正価格での購入」というように、都市圏ごとに戦略を変える必要があります。
今後の注目ポイント
注視すべき論点を整理
足元の上昇・下落は、金利や景気、供給、流通量の変化で転び得ます。今後の判断材料として、注視すべき論点を整理します。
2026年は、価格が上がったかどうか以上に、上昇が続く条件が保たれるかが焦点になります。特に住宅ローン金利の動きは購買力に直結し、相場に遅れて効いてくるため、短期のデータだけでは判断しづらい局面です。
また売り希望価格の指標は、市場心理を反映しやすい一方で、実際の成約との間にズレが出ることがあります。流通量が増える局面では、反響を見て価格改定が増えやすく、数カ月遅れて相場が調整されることもあります。
今後の注目点は、東京と大阪が強いままなのか、中部圏が持ち直すのか、そしてエリア間格差がさらに広がるのかです。ここを見誤らないための観点を整理します。
首都圏のマンション価格はバブル状態なのか
バブルかどうかは、価格の上昇率だけでは判断できません。実需の裏付けとして、所得や世帯数、転入超過、住み替え需要があるかを確認し、投資の裏付けとして、賃料水準や空室率、利回りがどこまで成り立つかを点検する必要があります。
都心部では資産保全需要が強い一方、一般的な実需の購買力には限界があります。もし実需のボリュームゾーンが買えなくなり、取引量が先に落ちるなら、価格は維持されても市場の熱量は下がり始めます。
見るべきは価格そのものより、売れ残りの増加、価格改定の増加、成約までの日数の伸びです。これらが同時に悪化すると、バブル的な過熱が冷えていく兆候になり得ます。
金利上昇局面で価格上昇がどこまで続くか
金利が上がると、同じ年収でも借入可能額が減り、購買力が落ちます。結果として、買い手は面積を小さくする、駅距離を伸ばす、エリアを外すなどの調整を迫られやすくなります。
ただし価格への反映はタイムラグがあります。売り手はすぐに値下げせず、まずは様子を見て、反響が弱ければ価格改定に動くため、データ上の調整は数カ月遅れて出ることが一般的です。
したがって金利局面では、短期の価格よりも、反響の量、値下げ率、在庫の積み上がりを観察するのが実務的です。金利の影響が強いのは高額帯から出やすい点も押さえておくとよいでしょう。
東京都の“1億円時代”が定着するか
1億円時代の定着は、需要と供給の構造が変わったかで判断できます。供給面では、築浅や都心寄りの流通比率が高まっているか、需要面では、富裕層・投資・高所得実需が継続的に入っているかが鍵です。
加えて流通量の増減も重要です。流通が増えても価格が維持されるなら需要が強いといえますが、流通が増えるとすぐに価格改定が増えるなら、1億円台は「強気の売り出しが多いだけ」の可能性もあります。
定着を見極めるには、都心6区だけでなく城南・城西の1億円接近ゾーンがどこまで粘るかがヒントになります。ボリュームゾーンが維持されれば、東京都全体の平均も落ちにくくなります。
大阪の価格上昇がどこまで波及するか
大阪の上昇が波及するかは、周辺エリアの取引量が増えても価格が崩れないかで判断できます。中心部が上がって周辺へ需要が流れるのは自然ですが、周辺の供給量が多いと価格は上がりにくくなります。
また上昇が進むと、取引量が冷えるリスクも出ます。特に実需中心のエリアでは、月々返済の負担感が増えると急に反響が落ちることがあり、まずは売れ行きで変化が出やすいです。
波及が本物なら、駅力が高い周辺エリアから上がり、値下げ率が低い状態が続きます。逆に波及が弱い場合は、中心部だけが高止まりし、周辺は改定が増えるという形になります。
中部圏の反転材料が出てくるか
中部圏が反転するには、需要が戻る材料か、供給が調整される材料が必要です。具体的には雇用環境の改善、再開発の進展、賃料の上昇、流通在庫の適正化などが挙げられます。
中古市場では、在庫の質も重要です。築浅や駅近が増えると平均は上がりやすい一方、それが動かないと平均は下がりやすいので、反転を見る際は「売れている物件のタイプ」を確認する必要があります。
買い手にとっては、反転を待つより、出口が見える物件を適正価格で買えるかが重要です。売り手にとっては、弱含み局面ほど価格の根拠が問われるため、成約事例と競合比較で戦える価格に整えることが反転への近道になります。
まとめ
2026年の中古マンション市場は“東京と大阪の二強時代”へ
2026年1月時点のデータは、東京と大阪が相場を牽引し、中部圏が伸び悩む三極化を示しています。最後に要点を整理します。
2026年1月の70㎡換算価格データからは、首都圏と近畿圏の上昇、中部圏の弱含みという明確なコントラストが読み取れます。特に東京都と大阪府が相場を牽引し、都市圏間だけでなく都市圏内でも格差が広がっています。
この局面では、相場が上がっているから買う、下がっているから待つという単純な判断が難しくなります。上昇局面では流動性の高い条件を外さないこと、弱含み局面では適正価格と出口戦略を重視することが重要です。
結論として、2026年はエリア選びと物件選びの精度が結果を大きく左右します。平均値ではなく、自分の検討エリアの需給と価格改定の動きを見ながら、納得できる条件で判断することが鍵になります。
首都圏は東京都が突出して上昇
首都圏は18カ月連続上昇と強く、その中心に東京都があります。東京都は平均で1億円台を維持し、前年比でも突出した伸びが見られるなど、首都圏全体の相場を押し上げています。
一方で周辺県もプラスとなり、首都圏が広域で強含んだ点は下支え材料です。ただし上昇の度合いは東京都が突出し、首都圏内の格差が広がりやすい状態になっています。
首都圏での判断は、都内のどこが強いのか、周辺県のどの地点が波及を受けているのかを分解して見ることが重要です。
大阪も急伸し、近畿圏全体が強含み
近畿圏は8カ月連続上昇で、大阪府の伸びが際立ちます。大阪は4,000万円目前まで上昇し、前年比でも大幅な伸びが見られ、第二の強い市場として存在感が増しています。
大阪の上昇は近畿圏全体を押し上げ、兵庫もプラスで推移するなど波及の可能性が見える形です。今後は中心部だけでなく、周辺の優良立地がどこまで追随するかが焦点になります。
買い手は、上昇局面ほど駅距離と管理状態を重視し、売却時に評価される条件を優先することが合理的です。
中部圏は弱含みで三極化が進行
中部圏は前月比マイナスが続き、愛知県も下落していることから、踊り場入りが鮮明です。前年比では小幅プラスを保つものの、首都圏・近畿圏との温度差は拡大しています。
この状況は急落ではなく、上昇を正当化する材料が不足し、買い手が慎重になっている状態と捉えるのが実務的です。反転には雇用や再開発、賃料の伸び、在庫の適正化など複数の材料が必要になります。
買い手は比較検討がしやすい局面でもあるため、出口が見える優良物件を適正価格で狙う戦略が有効になりやすいです。
エリア選びがこれまで以上に重要な局面
都市圏間の差に加え、同じ都市圏内でも格差が広がっています。首都圏でも東京都と周辺県で差が拡大し、東京23区内でもエリアごとに水準と伸びが異なります。
この環境では、予算だけでなく通勤・生活動線、資産性、将来の流動性を踏まえたエリア選定が重要です。特に駅距離、路線力、管理状態、修繕計画の妥当性は、どの市場でも共通して効くチェックポイントになります。
相場の平均値ではなく、自分が買う場所の需給と売れ筋を見ながら選ぶことが、2026年の後悔しない意思決定につながります。
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